自分の価値観を子供に押し付けて支配しようとする“毒親”が増えているという。弁護士の齋藤健博さんによると、4年前に比べて親から子への借金問題に関する相談件数が2倍に増えており、これも親が子供を支配しようとして起こるのだそう。
「子供のお金は自分のお金だと思って依存してくる親からの申し出に、断れない子供側が破産するケースも。親子間の借金問題の場合、貸さずに距離を置くことが得策。訴訟での解決はかなり難しいといえます」(斎藤さん)
そこで、子供から搾取しようとする毒親の実例を紹介し、その対処法について斎藤さんに伺った。
【実例】過度な仕送りを求める搾取母
母の口癖は、「私は貧乏だったから、必死で這い上がったのよ」でした。年収がいいという理由で父と結婚。しかし、無駄遣いが激しく、私のお年玉まで巻き上げる母に、父は愛想をつかし、私が10才のときに離婚。一緒に暮らそうと言ってくれた父について行きたかったのですが、母が意地になって親権を獲得。仕方なく母と暮らすことになりました。でも、母の目当ては私に支払われる養育費だったんです。働かずに連日飲み歩き、家計はいつも火の車。高校入学後は私がアルバイトをして家計を支えました。
卒業後は母から離れたくて、社員寮のある会社に。しかし、「給料の半分を仕送りしないと家から出さない」と激高され、私はしぶしぶその条件をのんだのですが、それが間違いでした。
「〇〇ちゃんは、お母さんを温泉旅行に連れて行ったんだって。あなたもそろそろ親孝行したら」などと、仕送り以外の奉仕を要求。私が結婚してからも、「お前が払わないなら旦那に連絡して払わせるよ」とおどしてくる。死ぬまでお金を取られるのか、そして母を理由に夫に見放されないか不安でたまりません。
(40才・会社員)