単に“持ち帰る”“宅配してもらう”ものから、“家族との時間をより豊かにするもの”、“友だちとより盛り上がれるもの”へ。そのため、個人向けのテイクアウト商品よりも、グループ向けのテイクアウト商品の需要が伸びていると言えそうだ。
先に登場した「築地銀だこ」は、9月8日より大ヒット作品『鬼滅の刃』とのコラボメニューを展開しているが、これにもコロナ禍ならではの理由があるという。
「子どもたちにとっては、外出を制限されるなどあまり楽しめない夏だったと思います。そうした中で、家族と同じ時間を共有しながらも、お子さまは喜ぶ、そしてお父さまやお母さまも美味しい、そういった商品が選ばれるようになった。『食』をご自宅でどう楽しむか、という点が重視されている印象です」(ホットランド広報室)
テイクアウト需要が増しているとはいえ、プラスアルファがなければ、選んでもらえない。例えばスシローでは、一部店舗で非接触でお持ち帰り商品を受け取ることができる「自動土産ロッカー」を導入するなど、テイクアウトそのものが進化している。
「食に対する考え方が変わったと感じます。単にテイクアウトをすればいいというわけではなく、美味しいことはもちろん、みんなで囲んで楽しめる“コンテンツの提供”が求められるようになってきたのではないでしょうか」(同前)
コロナを機に食に対する姿勢が変化したことを受けて、各企業がさまざまな工夫を凝らし、時代にキャッチアップしようとしている。