【3】「区の第2の街」に区役所がある区
……江東、杉並、北
人口変動により「区の中心」が変わりつつあるのが江東区。区役所は東陽町にありますが、区内で乗降客数が最も多いのは豊洲駅で、街の勢いという点でも豊洲に分があります。ただ、豊洲在住者はタワマンに住む新規住民も多いので、東陽町を「第2の街」と括ってしまっては怒られそう。門前仲町~東陽町あたりを広く「区の中心」と捉え、「区役所所在地=区の中心」と考えるのが正しいのかもしれません。
杉並区は、区内で乗降客数が最も多いのは荻窪。駅前のにぎやかさも阿佐ヶ谷を上回っていますが、区役所は阿佐ヶ谷(南阿佐ヶ谷)にあります。
杉並と似ているのが北区。区役所は王子にありますが、駅前は赤羽の方がにぎやかで、“商業の街”と“行政の街”との住み分けが出来ているようです。
【4】そもそも「区の中心」が分かりにくい区
……千代田、中央、港、世田谷
区内に大きな駅がいくつもあり、そもそも「区の中心」が分かりにくいのがこの4区。このうち千代田、中央、港区の区役所は、それぞれ九段下、新富町、御成門が最寄り駅です。地価も猛烈に高いゾーンなので、意図的に中心部を避けたのかもしれません。
一方、世田谷区は三軒茶屋、下北沢、二子玉川など、区役所所在地候補が目白押し。面積も人口も県レベルで、「区の中心」という概念があまり当てはまりません。世田谷区役所があるのは、「世田谷区世田谷」で、最寄り路線も「世田谷線」。世田谷区=セレブというイメージに反し、区役所は質素ですが、建て替えが決まっています。
【5】区の中心部とは違う場所にある区
……墨田、荒川、板橋、足立、葛飾、江戸川
こちらの6区は、区役所の場所と、区で最もにぎやかな場所が別です。
・墨田区役所=本所吾妻橋 最もにぎやかなゾーン=錦糸町
・荒川区役所=荒川区役所前(町屋) 最もにぎやかなゾーン=日暮里
・板橋区役所=板橋区役所前 最もにぎやかなゾーン=成増or東武練馬
・足立区役所=梅島 最もにぎやかなゾーン=北千住
・葛飾区役所=京成立石 最もにぎやかなゾーン=新小岩
・江戸川区=最寄り駅無し、バス利用 最もにぎやかなゾーン=小岩or葛西
足立区役所や江戸川区役所は最寄り駅からも遠く、車が無いと不便な場所。ひとくちに「東京23区」といっても、それぞれ個性があるようです。