投資情報会社・フィスコが10月19日~10月23日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円はもみ合いか。米大統領選を2週間後に控え、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン候補の直接対決が注目される。最新の情勢調査によると、バイデン候補はトランプ大統領をリードしており、複数の州で支持率は10ポイント程度まで拡大しているもよう。両候補によるTV討論会は第2回の中止で10月22日が最後となり、その場でトランプ大統領が巻き返せるかが焦点となりそうだ。
市場参加者は追加経済対策に関する与野党合意の行方を注視しつつ、バイデン候補の政策の柱である増税・大型投資を織り込み始めている。大型投資はアメリカ経済の将来にとって好材料との見方が増えており、大規模な増税がアメリカ経済を圧迫するとの懸念はある程度緩和されているようだ。
ただ、世論調査ではバイデン候補の優勢が伝えられているものの、実際は大接戦との見方も根強い。株式市場などはバイデン候補の勝利(民主党への政権交代)をある程度織り込んでいるが、外為市場ではリスク選好的な取引はやや縮小し、ドル・円などの値動きは小幅にとどまる可能性がある。
なお、19日に発表される中国の国内総生産(GDP)が市場予想を上回った場合、世界経済の早期回復への期待が広がり、アジア、欧米諸国の株式は強い動きを見せる可能性がある。主要国の株高を意識してリスク選好的な取引が増える可能性があるが、ユーロ、豪ドル、英ポンドに対する米ドル売りが優勢となった場合、ドル・円の取引でもドルの上値はやや重くなる可能性があるとの声が聞かれている。
【米大統領候補者討論会】(22日開催予定)
22日開催の大統領候補者討論会(テネシー州ベルモント大学)は、9月29日の直接対決以来2回目。バイデン候補にリードされているトランプ大統領が、増税・大型投資を掲げる民主党の主張に反論し、高い評価を得ることができれば、米国株高や長期金利の上昇が予想されるため、ドル買いが優勢となる可能性も。
【米10月製造業・サービス業PMI】(23日発表予定)
10月23日発表の米10月製造業・サービス業PMIが市場予想を下回った場合、株安・ドル安につながる見通し。9月はほぼ想定通りとなったが、改善のペースは緩慢になっている。