“モーレツ社員”だった50、60代が「週休4日」に困惑するのも無理はないが、社会保険労務士の北村庄吾氏はこう語る。
「今の若い人たちは土日休みで残業なし、自分の時間を自由に使いたいという人が多い。その意向を汲んだ流れといっていいでしょう。
働き盛りの人たちも育児や介護などの事情を抱えている。それぞれの事情に合った働き方ができるのであれば給与が減っても会社を辞める必要もなく働ける。そうした仕組みになってきているのです」
北村氏のもとには60代の男性から「せっかく再就職した会社は残業もない、会社帰りに飲みにも行かない、物足りない。このまま休みが増えるとどうしたらいいのかわからない」といった相談の声は少なくないという。
「再雇用ですでに週休4日になっている60歳前後の世代は多く、虚しさや寂しさ、脱力感を訴える人がいます。モーレツ世代は仕事に依存してきたため趣味もなく、自分の時間があっても持て余してしまうのです」(北村氏)
※週刊ポスト2020年10月30日号