もちろん、働く側にとってメリットがないわけではない。働き方の柔軟性が進む中で、生活コストを下げる工夫もできるという。
「コロナ禍で時差通勤やテレワークも定着しつつあるので、さらに出勤日数が減るのなら都市郊外の広くて安い家賃のマンションに引っ越したり、近郊の実家に戻ったりして、生活環境を改善しながら出費を抑えることもできます。
実家から通勤できれば、離職することもなく介護と仕事を両立させることも可能になる。定年後のセカンドキャリアに必要な資格を取るための時間も作れるし、郊外で農業を始めることもできる。新しいことを始める準備期間にするといいと思います」(同前)
充実した時間を選ぶか、カネを取るか──サラリーマンにとっては、大きな転機となるようだ。社会保険労務士の北村庄吾氏が言う。
「今後、週休4日制の企業が増えるのは必至です。特に働き盛りのころ週休1日が当たり前だった50、60代のモーレツ世代は、時代が変わったということをまずは受け止めることが必要でしょう。1週間の仕事を終えて仕事仲間と飲み明かした“花の金曜日”も、週休4日とともに死語となってしまうかもしれません」
かつてない“働き方改革”がやってくる。
※週刊ポスト2020年10月30日号