投資情報会社・フィスコが10月26日~10月30日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円はもみ合いか。米大統領選挙を翌週(11月3日)に控え、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン候補(前副大統領)の世論調査がクローズアップされそうだ。直近の世論調査によると、バイデン候補はトランプ大統領を依然リードしており、両者の支持率に大きな変化はないようだ。バイデン候補は大規模投資のための財源確保として増税を計画しているが、現時点ではインフラ関連の大規模投資への期待が勝っており、株高要因となっている。ただ激戦州の一部で両者の支持率は拮抗しており、トランプ陣営の巻き返しで逆転の可能性もあるため、外為市場では様子見ムードが広がりやすい。
新型コロナウイルスの追加経済対策を巡る与野党協議の進展が期待されており、リスク選好的な取引が観測されている。ユーロや資源国通貨に対するドル売りも含まれているが、大統領選前に米国株式が急落する可能性は低いとみられており、短期的には株高・ドル安の相場展開もあり得る。ただ、10月29日発表の7-9月期米国内総生産(GDP)は、コロナの打撃を受けた4-6月期の記録的な下げを帳消しにする大幅な伸びが見込まれており、市場予想を上回る高い成長率となった場合、米長期金利は上昇し、ドル買い・円売りが強まる可能性もある。
【米・7-9月期GDP速報値】(29日発表予定)
29日発表の7-9月期 GDP速報値は、前期比年率+32.0%と、4-6月期の大幅な落ち込みを帳消しにする急激な回復が見込まれる。米大統領選の結果にも影響するとみられ、米国株式や長期金利が上昇した場合、ドルは売りづらい。
【米・9月コアPCE】(30日発表予定)
30日発表の米9月個人消費支出(PCE)のコア価格指数は前年比+1.7%と、前回の+1.6%を上回る見通し。コロナまん延で伸びの鈍化は織り込み済みだが、消費意欲の減退が材料視されれば株売り・長期金利の低下でドル売り材料に。