投資情報会社・フィスコが11月2日~11月6日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円はもみ合いか。米大統領選や米連邦公開市場委員会(FOMC)など重要イベントが目白押しで、結果に振らされる展開となりそうだ。また、英国と欧州連合(EU)との通商交渉など米国以外の材料もかく乱要因となり、動向が注視される。11月3日投開票の米大統領選は、直前の世論調査で共和党候補のトランプ大統領が民主党のバイデン前副大統領を追う展開。ただ、選挙戦の最終盤になって激戦州ではトランプ氏が追い上げており、大接戦が予想される。日本時間の4日午後には大勢が判明する見込みだが、選挙結果の確定が遅れる可能性はあろう。
市場参加者の間では、両候補のどちらが勝っても株高となるが、ドル相場についてはやや見方が分かれており、バイデン候補の勝利なら大型投資の思惑から財政赤字拡大により長期金利が上昇し、ドルを押し上げるとの見方が多いようだ。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は11月4-5日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置く公算で、緩和的な政策スタンスを堅持するとみられる。
一方、欧米での新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻化するなか、主要都市での制限措置で経済の早期回復期待は後退し、ユーロ圏諸国の株安や金利先安観の台頭が予想される。その際には安全通貨のドルや円が買われ、ドル円はレンジ相場となる可能性がある。
【米大統領選】(11月3日投票)
開票作業が順調に進めば日本時間11月4日午後にも大勢が判明するとみられるものの、大接戦で投票結果は遅れる可能性もある。開票作業が混乱に陥れば株安が予想されるが、結果判明の時点でリスク回避的な取引はひとまず縮小するとみられる。
【FOMC】(11月4-5日開催予定)
FRBは11月4-5日にFOMCを開催し、日本時間同6日4時からパウエルFRB議長が記者会見する。現行の金融政策維持が見込まれており、ハト派姿勢が強調された場合、ドル買い意欲を弱める要因となりうる。
【米・10月雇用統計】(11月6日発表予定)
11月6日発表の10月雇用統計は、失業率7.7%(前回7.9%)、非農業部門雇用者数は前月比+65.0万人(同+66.1万人)、平均時給は前年比+4.5%(同+4.7%)と予想されている。非農業部門雇用者数が予想以上に増加した場合、景気回復への期待でドル買いが強まる可能性がある。