ましてやコロナ禍では在宅勤務やオンライン会議が恒常化し、人々の働き方が激変した。そこで選択肢となるのが「再就職」や「アルバイト」だ。中高年専門ライフデザインアドバイザーの木村勝氏はこう語る。
「定年までの時間をどう過ごすかが重要になります。現役のうちから定年後の人生をシミュレーションし、その際に役立つキャリアやスキルを身に付けておけば、再就職で必ず有利になります」
定年後の再就職では、現役時代に培ったスキルや経験が意外な好待遇につながることもある。前出の溝上氏が語る。
「企業が過去のシステムを更新する際に当時のプログラミングの仕様に戸惑うことが多いため、黎明期のパソコン事情に明るい元エンジニアが求められることもある」
大切なのは、「10年先」を見据えた再就職先を選ぶことだ。
「これからの10年で産業構造や雇用環境が変動し、高齢者の求人ニーズが大きく変わると考えられます。再就職する際は、将来的な社会の変化を見据えて、準備を進める必要がある」(前出・木村氏)
第2の人生では、定年から10年経っても「食える仕事」を見極める“眼力”が求められる。
※週刊ポスト2020年11月20日号