凱旋撤去後のパチスロ業界はどうなるのか
凱旋とともにパチスロをやめるというユーザーもいれば、凱旋以外の機種に期待するというユーザーもいる。ユーザーはそれぞれの思いに任せて行動すればいいが、主力機種を失うことになるホールにとっては死活問題だ。前出・藤井氏はこう話す。
「パチスロにおいて、凱旋に匹敵するほど集客力のある機種は、現時点ではまったくない。いわば、もっとも人気がある機種を失うわけですから、多くのホールが不安を抱いている状況です。
そして悩ましいのが、凱旋が撤去された後に、どんな機種を入れていくかということ。現状では6号機があまり支持されておらず、6号機の設置を増やしたくないというホールも多い。そうなると、設置期限までまだ時間がある5号機を導入するという選択をするホールも少なくないでしょう。
まだ1年くらいは設置できる5号機もあるので、そういった機種を再導入するケースもあると思います。しかし一方で、ホールにおける5号機の設置割合を減らしていかなくてはならないという目標もあり、5号機ばかりに頼ってはいられないのも事実。いずれにしろ、本格的に6号機をメインに設置しなくてはならない時期はもう目の前にやってきているのです」
ホール側も発想の転換を強いられることとなりそうだ。
「爆発力の高い機種はもう無理なので、それを求めるファンを切り捨てざるを得ない。そうし中で、ジャグラーシリーズのように射幸性が低くて、ゲーム性がシンプルな機種を導入し、高齢者層や初心者を取り込もうと画策するホールも出てくるでしょう。あるいは、人気の低い6号機を回避して、パチスロのシマをパチンコのシマに変えるというホールも出てくると思います。出玉爆発力の高い機種に依存する考え方を180度転換して、新たなユーザー層へのアピールを狙わなければならないということです。
その一方で凱旋の撤去によってパチスロ人気が低迷すれば、その危機を脱するべく、業界全体が6号機の出玉規制を緩和する方向に向かっていく可能性もあります。意外とそこに期待している関係者も少なくないと思います」(藤井氏)
新型コロナウイルスの影響も含めて、パチスロ業界が大きく変化せざるを得ない状況となっている。凱旋の撤去は大きなターニングポイントとなりうる出来事なのだ。