中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

フリーの立場から見た「会社員」の凄さ 組織生活で培われる特殊スキルとは?

会社員生活で培われるビジネス上の特殊スキルとは?(イメージ)

会社員生活で培われるビジネス上の特殊スキルとは?(イメージ)

 電通が正社員を業務委託契約に切り替え、個人事業主(フリーランス)にするという新制度を発表したところ、当初想定されていた100名の応募を大きく上回る230人が応募したという。広告代理店勤務を経て、フリーランス歴19年のネットニュース編集者・中川淳一郎氏は、こうした働き方の変化に対して、何を感じるのか。中川氏は現在、フリーランスの働き方のメリットを実感しつつも、一方であらためて会社員の凄さを感じることも多いという。

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 現在私はフリーランスの若者に「フリーで成功する方法」的なノウハウを伝える活動をしています。それは「会って色々教えてください」と言われたら会うし、SNSのnoteでフリーランスの心構えや稼ぐ術を説いたりもしています。

 しかし、今、47歳にしてフリーランスで生き残れたことは正直「ラッキーだったな」としか思えません。また、これまで出会ってきた仕事人の顔を思い返したり、今現在も付き合う仕事人のことを思うにつれ、会社員や公務員の優秀さ、というものを日々感じることが多いのです。

 正直、我々のようなフリーランスは「満員電車が嫌い」とか「『稟議』って何? めんどくせー!」といったタイプが多く、自分もそうですがとにかく細かい作業ができなかったり「手順」といったことを面倒くさがる傾向にあります。何しろ「自由であること」こそを大事にする。だから「フリーランス」という呼ばれ方をするのです。

 しかし、今、冷静に私自身の短い4年間の会社員生活や、フリーになってから19年間付き合ってきた会社員・公務員の皆様のことを思い出すと「優秀な人が多かったなァ……」と遠い目をしてしまうのでした。

 一方、フリーランスの同業者を見ると「破天荒なヘンテコリンなヤツが多かったなァ……」と思うのです。破天荒でヘンテコリンでも才能やキラリと光る「何か」があればいいのですが、それもなさそうで、単に「早起きが苦手」とか「なぜか締め切りには必ず1日遅れる」とか、そういった感じの方と何度も遭遇してきました。いや、私にも同じような面があるんですよ……。

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