投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月24日~11月27日の動きを振り返りつつ、11月30日~12月4日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均はNYダウ初の3万ドル乗せに刺激を受ける形で大幅高となり、4週連続の上昇となった。
23日のNYダウは、良好な経済指標と新型コロナワクチン接種のスケジュール、次期財務長官にイエレン前FRB議長の指名が報じられたことなどを好感して反発した。この米国株高の流れを受けて、3連休明けとなった24日の日経平均は638.22円高と4営業日ぶりに急反発した。一段高で始まった後も上げ幅を拡大させ、大引けの日経平均は17日終値26014.62円を上回り、バブル崩壊後の戻り高値を更新した。
そして、バイデン次期米政権への移行プロセス開始などの好材料が相次ぎ、24日のNYダウは454.97ドル高の30046.24ドルと史上初の3万ドル大台に乗せた。この流れを受けて25日の日経平均もギャップアップの大幅高でスタートすると時間外取引の米株価指数先物高も後押しし、朝方寄りつき後に前日比540.83円高の26706.42円まで上昇した。しかし、後場に入り東京都が飲食店などに対して午後10時までの営業時短の要請を決定と伝わると、急ピッチで上昇してきた高値警戒感が意識され、大引けにかけて日経平均は上げ幅を縮めた。東証1部の売買高が15億4946万株、売買代金も3兆1507億円に膨らむ中、高炉の再稼働報道が材料となった日本製鉄<5401>やフルモデルチェンジ小型車を発表した日産自動車<7201>などがにぎわった。
25日の米国市場は、ナスダック総合指数が3日続伸となったものの、NYダウは週次の失業保険申請者数が予想外に増加したことなどを嫌気して3日ぶりに反落した。26日の日経平均も新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛要請の広がりが警戒されて小安くスタートしたものの、時間外取引での米株価指数先物が上昇したこともあり上昇に転じた。終値ベースで26500円台となるのは1991年4月19日以来、29年7カ月ぶりとなった。
27日の日経平均は、26日の米国市場が感謝祭(サンクスギビング)で休場だったことから模様眺めムードからくる小幅安で始まった。すかさず切り返したものの、前日までの3日続伸で日経平均は1000円超の上昇をみており利益確定売りも出やすく前引けにかけてマイナスに転じた。しかし、押し目買い意欲は強く、後場はプラスゾーンで推移した。売買代金上位では、任天堂<7974>、日本電産<6594>などが買い進まれた。個別では三井不動産<8801>によるTOB(株式公開買い付け)方針が報じられた東京ドーム<9681>がストップ高比例配分となった。日経平均は107.40円高の26644.71円と4日続伸で大引けた。TOPIX(東証株価指数)は6連騰となった。