住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「江古田」(東京都練馬区)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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早稲田・高田馬場、御茶ノ水・神保町、本郷、明大前、茗荷谷など、東京にはいくつも学生街がありますが、今回取り上げる「江古田」もその1つ。周辺には、「日芸」の呼び名でおなじみの日本大学芸術学部をはじめ、武蔵大学、武蔵野音楽大学があり、いつも多くの学生で賑わっています。
まず、基礎知識として覚えておきたいのは「江古田」の読み方。駅名は「えこだ」ですが、都営大江戸線の新江古田駅は「しんえごた」、中野区にある地名の江古田も「えごた」、さらに「えこた」と読むパターンもあるようです。読み方はややこしいですが、住みやすさは抜群。その魅力を分析していきましょう。
鉄道は西武池袋線のみ。停まるのも各駅停車のみですが、池袋駅から3駅、わずか6分です。池袋から先に行くには乗り換えが必要ですが、近隣には大江戸線の新江古田駅、西武有楽町線の新桜台駅があり、そちらを使えば、乗換なしで山手線の円内に行くことも可能。また、バス路線も充実しており、こちらも上手に使いたいところです。
道路状況は概ね良好です。東京の大動脈の環七(環状七号線)がすぐ近くなので、車移動の基本はこちら。タテ方向(中野・杉並・世田谷など)に移動する機会が多い方なら、車は有効でしょう。その他、近隣には千川通り、目白通りなどもあります。ただ、駅周辺はゴチャゴチャとして、駅前まで乗り入れるのは厄介。電車が地上を走っていて踏切があるので、駅まで車で行ったり、駅前に車で買い物に行ったりするのに苦労する人もいるかもしれません。