コロナ不況から日本経済が復活し始めた。企業の景況感は急回復しており、いよいよ接種の始まるワクチンが期待通りに効果を発揮すれば、世界経済も一気に上昇気流に乗ることが期待される。『週刊ポスト』(12月7日発売号)では、〈日本株の「爆騰第3波」の注目銘柄10〉を公開するが、その特集で銘柄分析したアナリスト3氏が、「他にもまだある、今後の株価上昇が見込まれる10銘柄」と、その注目ポイントを紹介する。
〇植木靖男氏(株式評論家)
11月以降、日経平均株価の上昇率は欧米や中国の主要株価指数を上回っていて、日本株はいま世界一買われていると言えます。不安材料としては、コロナの感染拡大で実体経済に悪影響が出ること、急ピッチの上昇で市場に過熱感があることなどが挙げられますが、期待材料のほうがはるかに勝っているので、今後の展望は明るいと考えます。2021年には日経平均3万円を目指す展開があるでしょう。
アメリカではハイテク株が物色されていますが、日本ではハイテク株と景気敏感株の混在物色が際立っていて、今後もそれが続きそうです。ハイテク株で注目しているひとつがメディカル・データ・ビジョン(東証1部・3902)です。国内最大規模の診療データベースを保有する同社は、今年10月からオンライン診療システムの提供を開始し、11月にはSBIホールディングスと資本業務提携契約を結んでいます。
まだしばらくはコロナの収束に時間を要しますから、Web会議などのコミュニケーションサービスやネットセミナー支援などを手掛けるブイキューブ(東証1部・3681)が注目です。2020年12月期の連結最終利益を従来予想の6.2億円から10億円に上方修正し、足元の業績も絶好調です。
〇平野憲一氏(ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト)
日経平均が約30年ぶりにバブル崩壊後の最高値を更新した理由は、まず第一に欧米に比べてコロナの被害が軽微であること、そして2015年以来、日本株を売り越してきた外国人投資家が買い戻しに転じていること、加えて電子部品セクターなどで業績の上方修正が相次いで業績改善期待が高まっていることなどが挙げられます。