細野:なるほど、支出の整理をせずに、ただ使ったお金を書き出していたんですね。
Mさん:これまではごちゃ混ぜにしていたから、ずっと、記帳するだけで終わっていたんです。だから、自分で何をコントロールしたらいいのか分からなかったんです。「特別出費」を除いて整理してみたら、やっと支出の流れが見えてきたんです。そうしたら、お金のペースまで分かってきたんですよ。
細野:「お金のペース」というのは、週ごと、月ごとに、どれだけ使っているのか、ということでしょうか?
貯める秘訣【2】支出はペースを見て考える
Mさん:『家計ノート』は、1週間ごとに「累計」というのがあるでしょう? あれで毎週、月曜日から日曜日までの合計を7で割って、1日の平均額を見るんです。例えばウチの「食費」は、1日あたり2500~3000円の間でやり繰りすればいいことが分かったんです。1日あたり2700円に収まっていると「やった~!」と思います。もし3000円を超えたりしていたら「買いすぎだから次の週は気をつけよう」と思えるようになったんです。
細野:つまり、週ごとに1日あたりの金額を計算することで、「週のお金のペース」が見えるようになったんですね。このように見える化できると、家計管理もゲーム感覚になって、喜んだり悲しんだりと、やりがいにつながりますね。
Mさん:そう、もう『家計ノート』が楽しくって。一番好きなのは、一番下にゼロを書くこと。週で買い物に行かない時が2回あって2回ゼロがあると「やった~」って思いますね(笑い)。
細野:買い物の回数を減らすことは意外と無駄使いをしないことにつながるんですよね。何だかんだと買い物に行くと衝動買いをしてしまうので。
【プロフィール】
細野真宏(ほその・まさひろ)/日常よく目にする経済のニュースをわかりやすく解説した“細野経済シリーズ”が、経済本で日本初のミリオンセラーとなり、ビジネス書のベストセラーランキングで「123週ベスト10入り」を記録した。首相管轄の「社会保障国民会議」などの委員も務め、金融・経済教育の重要性を世に問い続けている。11年連続完売を記録中の『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート2021』も発売中。
※女性セブン2020年12月17日号