投資

株主優待や毎月分配金ファンドを「買ってはいけない」理由

合理的に考えると「買ってはいけない金融商品」とは何か?

 日本の株式市場が29年ぶりの高値に沸いているのを見て、投資を始めてみたいと考える人も多いだろうが、どの株を買えば儲かるかは、誰にもわからない。だが、その一方で、合理的に考えると「買ってはいけない金融商品」というものは、存在するようだ。

 金融・人生設計に関する多くの著作を手掛けてきた作家・橘玲氏の最新刊『マンガ 投資のことはなにもわかりませんが、素人でも株でお金持ちになる方法を教えてください』(漫画/北野希織 講談社)では、これから株をはじめる人に伝えたい投資の基本が、漫画と文章でわかりやすく解説されている。はたして「買ってはいけない金融商品」とはどういうものなのか、橘氏が説明する。

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 誰も未来を知ることはできないのだから、「儲かる株」の予想は競馬の予想と同じで、「当たるも八卦当たらぬも八卦」だ。逆にいえば、素人が適当に株を買っても儲かることはあるし、プロが運用するファンド(投資信託)でもときには大損する。

 このことは、「サルにダーツを投げさせて投資する銘柄を決める」というちょっと意地悪な実験で証明されている。こうやって適当に選んで作ったポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)は、投資のプロが必死になって運用するアクティブファンドの平均的なパフォーマンスを一貫して上回っている。なぜこんな奇妙なことが起きるのか。「効率的な市場」ではアクティブファンドのパフォーマンスの平均は市場平均と同じになるので、ファンドに支払う手数料の分だけ「サルのポートフォリオ」に負けてしまうのだ。

 このように「どの株を買えば儲かるか」は誰にもわからないのだが(もし知っていれば、こっそり自分で買って大儲けするだろう)、「買ってはいけない」金融商品はいくつかある。より正確にいうなら、「標準的な資産運用理論では合理的といえない」投資戦略だ。

株の売買で儲けを出すには?(『マンガ 投資のことはなにもわかりませんが、素人でも株でお金持ちになる方法を教えてください』より)

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