こうした話は、枚挙に暇がない。経済状況は、精神的な余裕に直結する。自粛生活が長引き、家族と一緒に過ごす時間が増えることが、新たな軋轢を生んでいるケースは多い。厚労省のまとめでは、児童相談所が虐待の報告を受けて対応した件数は1月からの6か月間で9万8000件以上と過去最多を記録。警察庁によれば、10月の自殺者数は前年同月から614人も増加し、そのうち385人が女性だった。
「2020年はリーマン・ショック時などと比べても女性の自殺者数が急増しています。女性は非正規雇用や契約社員が多いため、男性よりもコロナによる失業や収入の減少のあおりを受けることが多かったのでしょう」(橋元さん)
有事となれば、しわ寄せはいつも、より弱い立場の人にくるのだ。
※女性セブン2021年1月1日号