「だが」と続ける。
「経済や政治のニュース報道を見ていると、民放よりもっと配慮してしまっているようなところが多々ある。報道のやり方も、以前は立ちレポと言って、記者が現場で最長3分くらい取材の結果を織り交ぜて起承転結で視聴者に伝えるのが一般的でしたが、最近は現場で記者が10秒くらい登場して『いま、火が燃えています』と画面でわかる程度のことしかいわない。質が低下し、視聴者にのみ忠誠を誓うという姿勢が薄れているのが一番の危機ではないでしょうか」
受信料の残り半分は、職員(1万333人)の「給与」が1114億円、単純平均で計算すると平均年収1078万円になる。さらに人件費関係では「退職金・厚生費」に496億円、集金人など受信料徴収業務にかかる「契約収納費」が627億円。施設建設や放送設備などの整備に充てられた「減価償却費」が840億円となっている。
国民の受信料は、高い娯楽番組の制作費、職員の高い給与、そしてハコモノの建設などに充てられていたのだ。
※週刊ポスト2020年12月25日号