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シヤチハタ社長が考えるハンコ問題「電子化が認められない社会システムが問題」

シヤチハタ・舟橋正剛社長が見据える「今後のハンコ社会」とは(イメージ)

シヤチハタ・舟橋正剛社長が見据える「今後のハンコ社会」とは(イメージ)

 河野太郎・行政改革担当相の旗振りで、国が進めている「ハンコ廃止」。デジタル化のなかで自然な流れだが、その動きを予見し事業展開していたのが、朱肉なしハンコ市場でシェア8割超のシヤチハタだ。開発秘話と今後のハンコ社会について、社長の船橋正剛氏(55)に訊いた。

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──コロナ禍でテレワークが進み、「ハンコレス」が社会の流れになっています。

 ハンコ撤廃の対象は社判や代表者印などが主ですから、朱肉が不要なハンコがメイン商品の当社への影響は限定的です。ただ、ハンコはデジタル化を阻害する悪だという論調を短絡的に受け止めてはいけない。問題はハンコそのものではなく、電子化が認められない社会システムのほうだとも考えられます。

 当社では、パソコンやスマホで書類にハンコが押せる電子決裁システム「Shachihata Cloud」を提供しています。マイクロソフトワードやエクセル、PDFなど一般的なファイルに対応しており、パソコン画面上にクリックすれば印影が押せる。実際のハンコと同じ印影にしている点もこだわっています。

パソコンやスマホで書類にハンコが押せる電子決裁システム「Shachihata Cloud」

パソコンやスマホで書類にハンコが押せる電子決裁システム「Shachihata Cloud」

──これは最近開発されたものですか?

 実は25年前の1995年に始めています。当時Windows95が日本に入ってきたことで、将来のペーパーレス社会を予見し、このサービスが生まれました。

 時代を先取りした商品ですが、当初は鳴かず飛ばず。それでも諦めることなくクラウド化など技術開発を続けてきました。ところがコロナ禍となり、テレワークを支援するために今年3月から4か月間無料提供を行なったこともあって、この期間の申し込みは27万件に達しました。今後は行政サービスに対応した商品も出していくかもしれません。

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