成功の秘訣「見えないお金を見える化する」
お金は手元にあると、つい使ってしまう傾向があります。ただ、全体像を見極めた上で計画的にお金を引き出す習慣をつけておくと、何となく使ってしまう、といった“惰性”がなくなり、Sさんのように、かなり効果的な節約ができるのです。
「以前は封筒に『1日3000円』と使えるお金を入れていたこともあったんですけど、足りないと次の日のお金を使ってしまう。2日も3日も先の分を使うから、もうどこからお金をもってきていいのか分かりませんでした。予算制にしていても、何となくだと計画性ゼロで失敗してしまいますね。でも『家計ノート』のおかげで、お金の流れが見えるようになってからは、全部のお金を考えてコントロールできるようになりました。
まず、これまでのように『1か月分の生活費』を銀行から引き出します。そして、公共料金の自動引き落としやカードで買う『見えないお金』での買い物をした日に『家計ノート』に書いて、『1か月分の生活費の袋から現金を抜く』ことにしたんです。つまり、これまでのように『見えないお金』を見ないことにするのではなくて、ちゃんと手元の現金が減るようにすることで、今月のお金の現実が手元の現金ですべて見えるようにしたんです。これでやっと、毎月のお金と向き合えるようになって、その残ったお金でのやり繰りを考えられるように変わりました。
最初のころは、足りなくなることも出てきましたが、その時は、何がいけなかったのか、『家計ノート』のコラムの金額を参考にして、自分の出費と見比べたりして、『あ~ここに問題があったのか』と原因を見つけられるようになりました。そういう試行錯誤を繰り返して、今では『1か月分の生活費』から、お金が残せるようになる節約に成功していったんです」