成功の秘訣「年齢にかかわらず成長する」
人は生きている限り、お金の現実と向き合い続けなければなりません。その一方で、人間の脳は医学的には年齢と共に衰えていく現実もあります。ただ、「家計管理」の分野は、私たちが日々接しているものなので、この分野における成長は、年齢制限はないのです! Sさんの場合が象徴的ですが、80代になってから驚異的な成長を遂げているのです。
『家計ノート』を認知症の予防に、日々考える習慣を持つために使っている人もいます。でも認知症の予防どころか、現実は脳が衰えるのではなく、「成長する」という信じられない現象まで生み出しています。Sさんの事例は、家計管理に目覚めるのに、遅い、ということはなく、誰でも気付いた時から挽回できるものだと教えてくれます。
「この『家計ノート』と出会えたことで、自分でも信じられないくらいお金の流れが見えるようになってきました。『家計ノート』の内容を読んだら色々と浮かんで考えられるようになったんです。私にしたら本当にうれしい本なんですよ。隣の家の家計簿を見る感じでコラムが目安になってお金の感覚が身についたり。
家計簿のことは相談ができないし、これまでは、きっちり家計簿を書けている周りの友人らとどうしても距離があったんです。でも、私も今ごろになって仲間に入れてもらえるようになりました。みんなの話に入れるってうれしいです。私の話に感心してくれて『年の割に考えている、私もそうしよう』なんて言われるようになりました。
今は『家計ノート』が本当に楽しくて、1日3回、4回と書いてみたりもしています。昨年の『家計ノート』を見るとガス代は1月6日に請求書が入ることが分かります。それを事前に今年の分にメモしておくんです。2か月に1回の年金のように半分に割るものがあれば次の月に書いたり、水道代も2か月ごとだから半分に割る。2月に届いたら2か月で割って3月に書いて会計から引くようになりました。最初は固定費や特別出費など、どこにどういう風に書いていったらいいのかが分からなかったんですけど、この本には分かりやすく書いてあるから、それに当てはめればいいだけ。
今は、予算を立てて、いっぺんにお金を引き出さず、毎月15日までの分を出しています。これだと、今までの成果で15日までいけるかどうかが楽しい。足りなければ28日までの分を引き出してお金のペースをコントロールしています。こうすると、楽しみながらお金が貯まるようになるんです。
おかげでお金の使い方だけでなく、視野が広くなりましたね。今までは目の前が真っ暗で気持ちがギシギシでした。でも、今は『家計ノート』を開くと穏やかな気持ちになってきます。寝る前でも、テレビを消した後でも出してくる。見るだけでも、ゆったりした気分になれるんです。お金も自由に使える金額が見えてきたので、使うべき時には自信を持って使えていますね」
【プロフィール】
細野正宏(ほその・まさひろ)/日常よく目にする経済のニュースをわかりやすく解説した“細野経済シリーズ”が、経済本で日本初のミリオンセラーとなり、ビジネス書のベストセラーランキングで「123週ベスト10入り」を記録した。首相管轄の「社会保障国民会議」などの委員も務め、金融・経済教育の重要性を世に問い続けている。11年連続完売を記録中の『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート2021』も発売中。
※女性セブン2021年1月7・14日号