投資情報会社・フィスコが12月21日~12月25日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は弱含みか。米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和政策は長期化するとの思惑から、ドルは買いづらい展開となりそうだ。また、米追加経済対策の年内成立をにらみ、株高継続ならリスクオンのドル売りも見込まれる。FRBは15-16日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定したが、資産買入れ規模は変更しなかった。ただ、2023年まで実質ゼロ金利政策維持の方針を改めて示したことから、当面のハト派姿勢への思惑からドルは買いづらい見通し。
米国での新型コロナウイルスのまん延は深刻化し、感染状況を見極める展開でもある。1日の感染者数は増加傾向にあることから、大都市での制限措置が強化されている。経済活動縮小への懸念が高まり、投資家心理を圧迫する場面もあろう。ただ、ファイザー製ワクチンの接種が始まり、モデルナが開発中のワクチンも緊急使用が近く認可される方向で、引き続きリスクオフのムードを弱める材料になりそうだ。
一方、米国議会超党派グループが提案する9000億ドル規模の追加経済対策は失業者対策を中心に与野党協議が進展する見通しとなり、早期の合意期待から株高が見込まれる。それを受け、ユーロ高・米ドル安の流れが続いており、ドル円の取引にも影響を与えている。株高でもドルは主要通貨に対して弱含む展開となろう。
【米・7-9月期国内総生産(GDP)確定値】(22日発表予定)
22日発表予定の米7-9月期GDP改定値は、速報値と改定値の前期比年率+33.1%を維持できるか注目される。下方修正された場合、ドル売り要因になりそうだ。
【米・11月耐久財受注】(23日発表予定)
23日発表予定の米11月耐久財受注は前月比+0.6%と10月実績の+1.3%から伸び率は鈍化する見通し。市場予想を下回った場合、株価の下押し要因となり、ドル買いにつながる要因となりそうだ。