葬儀の規模がわかれば、葬儀社を決めておくと安心だ。
「法律上、死後24時間は火葬できない。そのため、ご遺体はどこかで1泊以上過ごす必要があるが、病院からは数時間以内に搬送を促されるのが一般的です。病院提携の葬儀社に行き当たりばったりで任せると予算オーバーすることも多い。複数社から見積もりをとり、比較検討しておく必要があります」(市川氏)
あらかじめ葬儀社とどんな葬儀にするかを話し合って選んでおけば、連絡するだけで遺体の搬出から安置、火葬の手続きまで全部手配してもらえる。
葬儀と深く関係するのがお墓だ。最近は実家の菩提寺がどこか、宗派も知らない人も珍しくないので確認しておく。
「本来なら葬儀は菩提寺の僧侶に読経してもらいます。菩提寺がわからずに葬儀社に手配してもらった宗派の違う僧侶に親の戒名をつけてもらうと、後から菩提寺がわかってお墓に納骨しようとしても宗派が違うと断わられかねません」(日本仏事ネットの寺田良平氏)
菩提寺が遠方の場合、近所の同じ宗派のお寺に葬儀の読経や戒名を頼む方法もある。
父親が次男などで先祖の墓を継がなくていい場合、生前に霊園などに墓地を購入していることは多い。離れて住む子は聞いたことがあっても、意外に覚えていないものだ。
親の終活や葬儀、お寺やお墓はどこにあるかを子にしっかり伝えれば、親はそれだけで安心できる。
葬儀・墓ほか、子ができる親の終活の手助け6
【1】終活への考えを聞く
【2】エンディングノートを共有する
【3】生命保険の契約内容を確認する
【4】葬儀の希望を聞く
【5】葬儀社を決める
【6】宗派、菩提寺を確認する
※週刊ポスト2021年1月1・8日号