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出井伸之氏 日本は世界にとっての「風の谷」になればいい

 つまり、守りの国内と攻めの国外、日本が生き延びるチャンスは“二重戦略”にあるのではないかということです。“二重行政”となるとネガティブに捉えられるが、そうではなく、ポジティブに内と外を使い分ける。

 そのためにも、若い世代はアジアと日本の歴史を学び、歴史にこうべを垂れ謙虚になるべきじゃないでしょうか。また、そうしたものを教えるのが私の役割だとも思っている。

 私は「イデイアカデミー」というYouTubeチャンネルで、「過去を知ってこそ未来はつくれる!」と伝えていこうと思っています。これはベンチャーの育成と大企業の変革を行なうエコシステムをつくり社会運動を起こす「アドベンチャービレッジ」の活動で、僕の最後の仕事です。

 可能性はありますよ、日本には。確かに今は冬の時代かもしれないけども、春は来ますよ、必ず。

【プロフィール】
出井伸之(いでい・のぶゆき)/1937年生まれ、東京都出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、1960年にソニー入社、外国部に配属。1962年スイスに留学。1968年フランスに赴任、ソニーフランス設立に従事。1979年オーディオ事業本部長、1988年ホームビデオ事業本部長を経て1995年に代表取締役社長に就任。2005年に会長兼グループCEO退任後、2006年にクオンタムリープ株式会社を設立。現在、同社の代表取締役会長。

聞き手/児玉博(ノンフィクション作家)

※週刊ポスト2021年1月1・8日号

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