投資情報会社・フィスコが1月11日~1月15日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。米バイデン次期政権発足に先立ち政策期待で長期金利は上昇しており、ドル買い材料になるとみられている。1月5日に行われたジョージア州の上院議員選(2議席)は、いずれも民主党候補が勝利した。上下両院を同党が多数派を占める「ブルーウェーブ」となり、バイデン新政権による円滑な政策運営が期待される。国債増発観測で長期金利は上昇しており、ドル相場の下支え要因となっている。
ただ、新型コロナウイルスまん延で、ワクチン接種への期待よりも景気減速の懸念は根強く、金融緩和の長期化観測がドルの上昇を抑制しよう。15日の12月小売売上高は前月比で減少すると予想され、11月の同-1.1%からの回復度合いは鈍く、個人消費の弱さが鮮明になりそうだ。同日発表の12月鉱工業生産も前月を下回る可能性があるため、製造業の業績回復ペースの緩慢さが意識された場合、株価の下押し要因となり、長期金利は反落する可能性がある。
なお、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は1月14日に発言の機会があるため、この場で金融緩和政策の長期化方針を改めて示せば、ドル買いを抑制する可能性がある。
【米・12月消費者物価コア指数(CPI)】(13日発表予定)
13日発表の12月コアCPIは前年比+1.6%でインフレ率は前月と同水準となる見込み。金融緩和は長期化の見通しで、想定通りならドル買い要因にはなりにくい。
【米・12月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の12月小売売上高は前月比-0.3%と、11月の同-1.1%から多少の改善が見込まれるが、減少が予想されており、個人消費の回復度合いは限定的。大都市での制限措置の強化により個人消費の減退が示される可能性があろう。市場予想を下回った場合はドル売り材料になりそうだ。