気になるのは株高がどこまで続くかだ。米国の中央銀行に当たるFRB(米連邦準備制度理事会)は株高を支えてきた金融緩和を2023年末まで続けると表明している。少なくとも、その半年前などにテーパリング(金融緩和の縮小)が当局からアナウンスされるようになるまでは株高が続くと見ても良いのではないだろうか。かなり先の話ではあるが、仮にその時の日経平均株価が4万円なら、1割ほど下落して3万6000円程度まで下がるかもしれない。
ただ、残念ながら、この株高の恩恵を最大限受けているのは、日経平均株価に連動する「インデックス・ファンド」や、「ファーストリテイリング」、「ソフトバンクグループ」といった、日経平均株価に対して寄与度の高い銘柄をひたすら持ち続けてきた“本当のお金持ち”に限られる。
時価総額の小さな小型株に目を凝らし、機敏に動いてきた個人投資家のほとんどはその恩恵に与っていない。まして、日本の個人金融資産の内訳を見ると、株式や投資信託の割合はわずか13%にすぎず、ほとんどの日本人がこの株高を横目で眺めているだけなのだ。
「3万円を超えたから、もう上がらないだろう」と考えている人もいるかもしれないが、その一方で「今日の高値が明日の安値」になるような局面が続いている。政府は「貯蓄から投資へ」という流れを促進しているが、一人ひとりがいち早くその流れに乗らなければ、今後も格差拡大の構図は続いていくのではないだろうか。