メガバンクの定期預金ですら金利が0.002%となったいま、お金を預けておくだけでは、何の意味もない。まずは少額からでもいから、投資を始めることで、少しでも蓄えを増やしていきたい。そんななか、最近ではスマホ1台で投資ができるサービスも増加。その手軽さゆえに注目が集まっている。
もちろん、いくら手軽に始められるといっても、資産の一部を投じる以上、投資の基本は理解しておきたい。初心者がおさえておくべきは「少額」「分散」というポイントだ。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんがアドバイスする。
「当然ながら、投資にはリスクがつきもの。極論を言えば、どの株や投資信託を買えば値上がりするかなんて、正確なことは誰にもわかりません。それを前提として、一度にまとまったお金を投じて“ギャンブル”するのではなく、あくまで少額から、いろいろな株や投信を組み合わせて少しずつ資産を分けるようにしておけば、リスクを分散させられます」
値動きが異なる複数の銘柄に分散投資しておけば、ある株が下がっても、別の株が上がることもある。1つの株に多額を投じる一括投資よりも、リスクを格段に抑えることができる。
「分散投資のコツは、為替相場や景気動向が株価に与える影響が正反対の株を複数選ぶこと。例えば、業績が円高で伸びる企業と円安で伸びる企業、不景気でも安定している企業と不景気で大きく落ち込む企業など。特性の異なる企業を組み合わせれば、1つの株が下がっても、全体的には大きな損にはなりにくいのです」(ファイナンシャルプランナーの松岡賢治さん)
とはいえ、現在3700社以上もある上場企業の中から株価が上がりやすく下がりにくいものを選ぶなど、初心者には到底無理。そこで心強いのが「投資信託」だ。
「投資信託は、いわば『投資の福袋』。30~100社くらいの株や債券などを組み合わせて1つの商品にしたものです。複数の商品に分散投資するので、そのすべてが値下がりするような局面はそうそうありません。日本だけでなく海外の株や債券、不動産などにも投資することができます」(少額投資に詳しいファイナンシャルプランナーの山口京子さん・以下同)
どの投資信託を選べばいいかも、スマホ投資ならそれほど迷う必要はない。ほとんどのスマホ証券が、年齢や収入、目標金額などを入力すれば、AIが自動でおすすめの商品や資産配分を教えてくれる「ロボアド(ロボアドバイザー)」を導入しているため、初心者はまずそれを参考にしてみるといいだろう。
※女性セブン2021年3月4日号