コロナ禍で自宅で過ごす時間が増え、電気代が増えている人は多いという。なかには、収入そのものは減ってしまっているというケースもあり、電気代の節約は重要な課題。しかし、当然ながら、生活の質は落としたくないというのが本音だ。果たして、どうすればストレスを感じずに節電できるのか──。専門家に節約術を聞いた。
キッチンで使う家電で消費電力が大きいのが炊飯器。「IH炊飯ジャーは、比較的最近のものでも最高1300Wになる」と、料理研究家の石澤清美さんは言う。
「保温機能は1時間あたり約30W消費されるので、炊けたらすぐに保温スイッチを切り、冷凍または冷蔵保存するのが望ましい。お米を炊く際は、炊飯ジャーは早炊きでも約40分かかりますが、土鍋だと20分程度で炊き上がるので、電気代も時間も短縮できます」(石澤さん・以下同)
また、やかんでお湯をたっぷりと沸かし、卓上型の保温ポットに入れておくのもおすすめだ。
「私はドイツの魔法瓶ブランド『アルフィ社』のポット(写真)を使っていますが、朝、熱湯を入れておけば一日中熱々。仕事中はこれでお茶やコーヒーをいれています」
一般的な電気ポットの保温機能を使うと、1日18円ほどかかり、毎日使うと年間約6570円になるが、これがまるまる節約に。
「煮込み料理は圧力鍋で時間を短縮するほか、10分ほど鍋で煮て、発泡スチロールの箱で半日ほど保温します。これだけでガス代や電気代が節約でき、鍋を気にする時間も減るので、一石二鳥です」
さらに、冷蔵庫のまわりや庫内の収納にも気を配っている。
「冷蔵庫は、上部にものを置くと放熱が妨げられ、電力の消費量が増えるので、何も置かないようにしています。庫内の冷気が効率よく流れるように、入れる食品を5~7割程度にとどめていますが、これで消費電力が8~10%減らせています。野菜を多めに買ったときは、野菜室以外に発泡スチロールの箱に保冷剤を入れた簡易冷蔵庫を作り、そこに入れておけば、電気代もかからず、冷蔵庫の詰め込みすぎも防げます。どうすれば節電できるかを考えるのも楽しいですよ」
【プロフィール】
石澤清美さん/料理研究家。省エネで節電にもなるレシピを考案し、メディアで活躍。料理教室も行う。
取材・文/廉屋友美乃
※女性セブン2021年3月18日号