昨年春の新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言で“悪者”として槍玉に挙げられたのがパチンコ店だ。当時、多くのパチンコ店が休業したことも影響してか、パチンコユーザーは減少しているという。パチンコ業界に詳しいライターの藤井夏樹氏は、こう話す。
「私はパチンコ店に足を運んで、実際に打ったり、情報を収集したりしているのですが、コロナ以降、お客さんが減っているのは感じます。元々あまり客付きが良くなかった店は特に顕著で、数えるほどしかお客さんがいないホールも珍しくありません。ホール周辺の話を聞いていると、コロナ前に比べて8割くらいの客入りになったという店が多いようです」
このコロナ禍で「パチンコ離れ」したというユーザーに話を聞いた。東京都に住む会社員・尾形さん(仮名、30代男性)は、こう話す。
「以前は1週間に2~3回パチンコを打っていましたが、昨年の緊急事態宣言で行けなくなってからは、一切打ってません。いまはボートレースにハマっています」
パチンコや麻雀は嗜むものの、競馬などの公営競技はほとんどやったことがなかったという尾形さん。ボートレースは、この自粛期間に初体験したという。
「パチンコに行けなくて、暇だなーと思っていた時に、友人からボートレースはネットで投票できるし、レースも公式サイトとかYouTubeとかで無料見られるということを教えてもらって始めました。家から出ない生活をしていても、スマホでレースを見て投票もできるので手軽。一気にハマりました」(尾形さん)
ボートレースには、手軽に楽しめるというだけではない魅力もあるようだ。
「ボートレースは6艇で行われるので、たくさんの馬が走る競馬に比べて、予想しやすい。しかも、インコースが圧倒的に有利だということもあって、素人でも意外と的中するようです。パチンコの場合、たまに来る大当たりのためにずっと黙々と打っていなければならないけど、ボートレースの場合はレースのたびにドキドキできるし、当たる頻度も高い。つまり、ボートレースはパチンコに比べて、ギャンブルの喜びを体験できる機会が多いと感じたんです。これは、かなり大きな魅力だと思います」(尾形さん)