吉田みく「誰にだって言い分があります」

「イメージと違う」「高い」の苦情にハンドメイド作家の30代主婦の言い分

 もちろん検品はきちんとした上で発送している。中には「思っていたイメージと違うから返品したい」というお客さんもいるそうだが、これを一つでも許してしまうときりがなくなってしまうため、破損などがある不良品以外はお断りしているそうだ。

「アクセサリーも壊れたりしないよう丁寧に作ってはいますが、高級ブランドのジュエリーなどとは価格も強度が違います。その分、安価で気軽に楽しめるようになっているんです。そのあたりの区別がついていないお客さんから、『すぐに壊れそう』や『安っぽい』などの評価をもらうと、複雑な気持ちになります」(同前)

 できるだけ多くのお客さんに購入してもらえるよう、コストを抑えた価格を意識しているそうだが、「ハンドメイドなのに高い」といった意見もあるという。それにも森田さんはこう反論する。

「商品価格には、材料費だけでなくサイト利用手数料や送料が含まれます。そこに利益を乗せた金額で販売していますが、その額は微々たるもの。1商品あたり500円もありません。想像されているよりも、稼げる金額は少ないんです」

「あなたの作品だから欲しい」という顧客が多数になるまで、森田さんの悩みは尽きないことだろう。個人事業主となる場合、組織に属さないことで自由度が上がり、自分らしく働けるというメリットもあるが、仕事に関する全ての責任を自分一人で追わなくてはいけないというリスクがつきまとうことも忘れてはいけない。

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