ネットカフェがコロナ禍で苦境を強いられている。帝国データバンクの調査によると、2020年度(2020年4月~2020年2月)において、ネットカフェなど「複合カフェ」業態の倒産は10件発生し、過去最多を更新したという。
「快活CLUB」「グランサイバーカフェ バグース」「自遊空間」といった主要ネットカフェも、前年を大幅に下回る水準で売り上げが低迷。2020年4月から5月にかけての最初の緊急事態宣言下の外出自粛の影響はもちろん、宣言解除以降も客足が思うように戻らなかったことが大きな要因となっている。
そうした苦境を知ったネットカフェを愛するファンたちからは、「残ってほしい」「コロナ後もなくらないでほしい」などと存続を願う声が多数上がっている。
「まさかこんな時代になるとは……。昔も今もちょくちょく利用していただけにショックでした。コロナに負けないでほしい」
そう話すのは、IT企業に勤める30代の男性会社員・Aさんだ。学生時代から利用してきただけに、複雑な心境だったという。ネットカフェのどこに惹かれるのか。
「コロナ前は、月に1回か2回くらい、ネットカフェでダラダラと漫画を読みながら夜を明かすのが好きでした。お金のことを考えたら、漫画を揃えて家でじっくり読んだり、映画なんかもサブスクで視聴した方がコスパは良いと思いつつ、やはりあの閉鎖空間が落ち着くというか、集中できるのがいいんですよね」(Aさん)
PR会社で働く20代女性会社員・Bさんは、学生時代、推しのアイドルの地方公演に行く際には、いつも高速バスに揺られて、ネットカフェに泊まるのが定番だったという。それだけにネットカフェへの思い入れは強い。
「ネットカフェは私の“常宿”でした。少しでも節約したい金欠ファンにとっては、本当にお世話になった場所です。友人や彼氏とも、よく行きました。お互い同じことをしていなくても、同じ空間にいられることが楽しかった。私は今も実家住みなんですが、一人になりたい時はネットカフェにこもっていました」(Bさん)