ここで登場する「標準的小売価格」が「1本244円」(2本で488円)ということのようですが、私が行った店のビールは、すべてこれより安かったです。そこに差額が生じるため、上記【2】のように「ビール券を使うと買い物の総額が安くなる」という状況になります。
さらに「アサヒスーパードライ・キリンラガービール・サッポロ〈生〉黒ラベル・サントリーモルツと同等の缶ビール(350ml)2本」とありましたが、2本はスーパードライにし、2本は高額なエビスビールにして、さらにスナック菓子も買うべく2枚のビール券を出し、追加の現金を払おうとしたところ、そのまま「488円×2」として総額からビール券2枚分の976円から引いてもらえました。
というわけで、現在のビール券の扱いは「店によって違う」「人によって違う」「そもそもこれがなんだか分からない」という状況にあることがわかりました。ビール好きにとっては本当に嬉しい券なのですが、使う場合は色々と戸惑うこともあるかと思いますので、注意してお使いください。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、博報堂入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『恥ずかしい人たち』(新潮新書)。