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高齢者雇用の受け皿となる交通誘導員のリアル 希望するシニアが多いワケ

肉体労働でもある交通誘導員を高齢者が希望する理由とは?(イメージ)

肉体労働でもある交通誘導員を高齢者が希望する理由とは?(イメージ)

《タクシーで移動中運転技術に不安を感じたのでドライバーさんを見たらかなり高齢の方に見えた…失礼ですがと年齢を尋ねたら…85歳だと…高齢が問題ではなく高齢になると運転技術を維持するのが難しくなる事が問題》

 タレントの田村淳(47才)がTwitterに投稿した問題提起に注目が集まっている。4月1日から、すべての企業に社員が70才まで働けるよう努力義務を課す「70才就業法」(改正高年齢者雇用安定法)が施行され、これまで以上に高齢者が長く働ける環境が整備されるようになった。シニア世代の持つ経験やスキルを活かせる場が広がる一方で、本来ならばゆっくり晩年を過ごしたいと願う人までもが老骨に鞭を打って働かなければならない現実もある。

「正直、まさか高齢になって肉体労働するなんて、若い頃は想像してなかったよ」

 千葉県在住の柏耕一さん(74才)が苦笑しながら語る。出版社勤務後に立ち上げた編集プロダクションが多額の借金を抱えて倒産し、生活するために67才で交通誘導員になった経歴の持ち主だ。

 道路工事の現場などで誘導灯を振って歩行者や通行する車の安全を守る交通誘導員は、シニアの就業者が目立つ仕事だが、柏さんの遅咲きのデビューにはそれなりの苦労が伴った。

「炎天下に朝から現場に立ちっぱなしのうえ、ドライバーや通行人から『なんのために立っているんだよ!』とイライラをぶつけられることもしばしば。

 仮設トイレの移動を命じられて糞尿にまみれてしまったことも、現場の親方から理不尽に怒鳴られたこともあります。日々、ヘトヘトになって歯医者に行けず、奥歯が抜けてしまったのを数年間放置してしまったこともありました」(柏さん)

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