ノンアルコールビールも後発組が強い。2009年、キリンは「フリー」をいち早く投入。しかし2010年8月発売のサントリー「オールフリー」に抜かれ、現在は最後発のアサヒ「ドライゼロ」がトップに立っている。
経済ジャーナリストの河野圭祐氏が言う。
「ジャンルを開拓したパイオニアが有利か、先行する商品を見ながら戦略を練ることができる後発組が有利かは議論が分かれるところです。
今回の糖質ゼロビールでも、『一番搾り 糖質0』がアルコール4%と低めなのに対し、『パーフェクトサントリービール』は5.5%と、糖質ゼロの物足りなさを解消すべく差別化を図ってきた。
2月の『パーフェクトサントリービール』の商品発表会では、ライバルの『一番搾り 糖質0』も用意し、両社比較しての試飲を勧めていました。サントリーの自信の表われと言えるでしょう。
しかし、キリンは最近、コクのある新ジャンル『本麒麟』を大ヒットさせるなど勢いがある。勝負の行方はわからない」
※週刊ポスト2021年4月16・23日号