コロナ禍による自粛生活が長引く中、自宅にいる時間を利用して、資格取得の勉強や趣味のための通信講座に勤しむ人が増えている。さらには、必要とされる資格や人気の講座が、これまでと変わってきているという。せっかく時間とお金をかけるなら役立つ資格や知識を身につけたいもの──。最新の“資格事情”を探る。
稼げる資格は取る前に仕事の想定を
「資格取得はあくまでも手段です。どれを取るべきか考える際に大切なのは、何がしたいのか、目的を明確にすることです」
と話すのは、キャリアカウンセラーの藤井佐和子さんだ。主な目的としては、資格を武器にして就職・転職をすることや、いまの勤務先で収入を上げることだ。あるいは、生活や子育て、人間関係などの問題を解決し、プライベートをより充実させたい、などがあげられる。こうした目的によって、選ぶ資格や心構えも変わってくる、というわけだ。
「資格を取得することで仕事につなげたい場合は、未経験でもすぐに就職できるほど、その資格の需要が高いかどうか、住んでいる地域の求人情報などをリサーチする必要があります」(藤井さん)
せっかく資格を取っても、実際に働いてみると、自分には向いていないと気づいて、使いこなせないケースも多い。そうならないよう、資格を取る前に、実際に働いている人の話を聞いたり、現場を体験して、取得後の仕事内容を想定しておくことも大切だ。
たとえば、コロナ禍でも需要が高かった仕事の1つに、一般用医薬品を売る「登録販売者」があるが、これを取る前に、ドラッグストアなどでレジ打ちのパートをしておくと、資格取得後にどんな仕事ができて、いくら時給が上がるかなど、イメージがしやすくなり、就職にも有利になる。
これから役立つのはIT系の資格
では、アフターコロナにおいて、仕事に直結すると注目されている資格には何があるのか。
「ずばり、IT系の資格です。ワードやエクセルなど、ある程度パソコンを使い慣れている人ならまず、プログラミングなどITの基礎知識を証明できる『基本情報技術者試験』に合格すると、就職に有利になります」
と、資格取得アドバイザーの中村一樹さんが分析する。