そんなとき、通院しているクリニックで精神保健福祉関連のNPOが出している冊子を見つけ、そこでボランティアとして働き始め、パートになることで状況は変わっていく。
「生活保護は3年くらい受けていました。金欠で、食材は野菜と鶏胸肉中心でしたが、時間だけはあり、料理の腕が上がったことはよかったですね。また、生活保護は医療費がかからないので、うつ病で精神科に通院している身としてはありがたかったです。受給中に入院をしましたが、その際もお金はかかりませんでした。
問題はいろいろありましたが、いま思えば生活保護には助けられました。その期間は何もできませんでしたが、前向きに、お休みの期間と思えたことで、私はやり直すことができたと思います。人生のピンチに生活保護を使うことをためらわず、活用してほしいですね」
【プロフィール】
小林エリコ(こばやし・えりこ)/文筆家・漫画家。1977年生まれ。漫画雑誌の編集に携わるも自殺未遂で退職、のちに精神障害者手帳を取得する。現在はNPOで働きながら作家として活動。著書に『この地獄を生きるのだ』(イースト・プレス)がある。
※女性セブン2021年4月29日号