多田さんはコロナの影響がほとんどない公務員。収入減などもなく、安定して生活できているという。コロナと最前線で戦っている医療従事者には頭が下がるばかりだが、飲食店を利用して経済に貢献することならできると思ったそうだ。だがある日、クレジットカード明細を見たら驚きの数字が飛び込んできたという。
「テイクアウトを利用しすぎて、普段の支払金額より3万円ほどアップしていました。思い返してみれば、最近は週3回くらいでテイクアウトし、自炊はほぼなし。美味しい料理を食べながら自宅で晩酌する機会が増えたので、缶ビール代もかさんでいたようです。恥ずかしながら貯金ができない性分で、足が出た分は実家の母に立て替えてもらいました……」
話を聞くと、多田さんはこの件に限らず、60代の母親から金銭的なサポートを何度か受けていたという。多少の嫌味は言われるものの、頼み込めば送金してくれるので、ついつい甘えてしまうそうだ。
「本当は直接会ってお願いすべきなんでしょうけど、今はコロナですしね……。母親も高齢になってきたので気を遣ってしまいます。コロナが落ち着いたら、親孝行して、恩返しをする予定です」
自宅で本格的な味が楽しめる飲食店のテイクアウト。飲食店を応援したい、美味しい食事が食べたいという気持ちも大切だが、生活に影響するほど利用するのは考えものである。