「今からなら、お子さんか孫の名前で注文して」
紀州梅専門店『五代庵』が申年に漬ける梅干し『五福』
同じく「縁起物」として珍重されるのが、紀州梅専門店『五代庵』が申年に漬ける梅干し『五福』(1粒税込3240)円だ。
「平安時代のある申年に疫病が流行し、当時の第62代村上天皇が病に倒れてしまった。その際、梅干しと昆布茶で病を克服したという言い伝えから、申梅は『無病息災』の縁起物として広く全国に伝わりました。特別なお祝い事や、敬老の日の贈答品としてご購入くださる方が多いようですが、12年ごとにご購入下さるお客様もいます」(広報担当者)
次回は「戊申年」(2028年)の販売だが、前回「丙申年」の梅干しは現在も購入が可能だという
次回は「戊申年」(2028年)の販売となり、購入できるのは7年先ということになる。ただし、前回「丙申年」の梅干しは現在も購入が可能だという。
「名産神戸肉 旭屋」(兵庫県)の「神戸ビーフコロッケ『極み』」
1999年にネット通販を開始した「名産神戸肉 旭屋」(兵庫県)の「神戸ビーフコロッケ『極み』」(5個入り税込2700円)の待ち期間は、現在19年に及ぶ。店主の新田滋氏が打ち明ける。
「14年待ちになった時点で『自分が生きているうちに注文をさばけない』と思い、3年ほど注文を休止にしたんです。でも、再開した途端にこの状況。これから注文される方は、お子さんかお孫さんの名前で頼んでもらったほうがええかも(笑い)」
現在の待ち時間は19年!客の側も注文したことを忘れているという
精肉店の強みを活かし、厳選された神戸ビーフを惜しみなく使っているため「原価が1個400円ほどかかる赤字商品」と新田さんは言う。「お客さんは『もっと人を雇ってたくさん作ればええやん』と言うが、赤字商品にそんなお金かけられまへんわ」と笑う新田さん。コロッケはあくまでも“販促ツール”のサービス品だという。待ち期間が長いことで、こんな“事件”が発生することも。
「今は約8年前の注文分を発送していますが、お客さんはほぼ100パーセント、頼んだことを忘れていますね。確認の電話を入れたら、ご家族に詐欺グループと間違えられ『警察に通報します!』と言われたこともあった(笑い)」(新田さん)