ただし一方で、そうした親の思いが通じない世の中になりつつあることも事実だ。
「子供にとってみれば、忙しい時間を割いて何度も同じことをさせられたり、何十回も同じ愚痴を聞かされたりするのは大きなストレスになります。しかも日本には“褒めない文化”があり、子供に世話をしてもらった親が感謝の言葉を述べず、『やってもらって当然』のような態度を取りがちなことも、子供には受け入れられません。様々な鬱屈が積み重なって、ある日突然、親子関係が決壊する可能性があることを親世代は知っておくべきです。
親世代は年齢を重ねるとともに、いつまでも自分を中心にものごとを考えるのではなく、子供の生活を考えたほうが、家族関係は良好に保たれるはずです」(鳥居氏)
子に「頼りすぎる」ことのないよう心したい。
※週刊ポスト2021年5月28日号