「実体経済の悪化」に「株安」、そして「政治への不信感の増幅」によって、今年10月が任期満了となる衆院選にも影響を及ぼし、政治が不安定化することも十分に考えられる。仮にその通りに進むようなことになれば、日本は大混乱に陥りかねない。そうさせないためにも、政府は「コロナ対策」と「五輪開催」の“二兎”を追っている場合ではない。まずは「コロナ対策」を徹底して“一兎”を追う。いまほど冷静に適切な判断を下すことが重要な局面はないはずだ。
【プロフィール】
真壁昭夫(まかべ・あきお)/1953年神奈川県生まれ。法政大学大学院教授。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリルリンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授などを経て、2017年4月から現職。「行動経済学会」創設メンバー。脳科学者・中野信子氏との共著『脳のアクセルとブレーキの取扱説明書 脳科学と行動経済学が導く「上品」な成功戦略』など著書多数。