ステイホーム期間に園芸や家庭菜園を始める人は少なくない。しかし、時には住民の手の及ぶ範疇を超え、隣人とのトラブルになることもある。庭付きマンションに住む42才会社員女性は、隣人が家庭菜園を始めたことで「虫害」に悩まされるようになったという。そのトラブル実例を紹介するとともに、専門家に具体的な対処法を聞いた。
【実例】
一昨年、憧れの庭付きマンションを購入。“あの日”が訪れるまでは、庭にハンモックを設置して、ワインを飲みながら読書をするという、優雅な休日を楽しんでいました。
ところが、コロナ禍で隣のご夫婦が、家庭菜園を開始してからは一変。そんな私のささやかな幸せはもろくも崩れ去ったのです。というのも、隣人が植えたのは山椒やみかんの木。あれって大量の青虫が発生するんですよね。そして、いちごやすいかにはナメクジが……。隣人が殺虫剤をまくと、そういった虫たちが、わが家の庭に一斉に逃げてくるんです。
さらに、雨上がりの朝などは、肥料から放たれる悪臭も漂ってきます。隣人ご自慢の肥料は“生ゴミ”のため、夏にはゴキブリやハエ、蚊も大量発生。とはいえ毎週末、
「これ、うちの家庭菜園で取れた新鮮な野菜。よかったらもらってくださる」
なんて、うれしそうに収穫物を持ってくるものだから、
「家庭菜園やめてください」
とは直接言いづらくて……。管理会社に相談したのですが、「規約の範囲内なので」と、こちらの意見は聞いてはもらえませんでした。
2年目となる今年は、なんとハチが巣を作り、さすがに危険なので自治体に駆除をお願いしました。ただ、自治体からも、害虫駆除はできても隣人に家庭菜園をやめさせることは難しいと言われました。憧れの庭付きマンションが、いまや地獄です(42才・会社員)。