9都道府県に発令中の緊急事態宣言は、6月20日まで延長された。これで東京は今年に入ってから、1月8日から3月21日まで、4月25日から6月20日までと、約1か月間を除きほぼ緊急事態宣言下にある計算になる。日常的な発令に、“宣言慣れ”が加速している。
「もうずっと緊急事態宣言で、変に慣れてきてしまいました。去年や今年の初めにあった緊張感はまるでありません。“緊急”の意味もよくわからなくなっています」
そうつぶやくのは、デザイン会社で働く20代男性会社員・Aさんだ。「宣言延長の意味はあるのでしょうか。ただ『自粛していろ』と言われてもキツい」と困惑する。
Aさんは、感染対策を講じながら外出する機会が増えたそうだ。
「大人数で集まるとか、人混みがありそうな場所に行くことはありませんが、自分を含め、マスクをして、感染対策をしている場所にだったら出かけてもいい、みたいな雰囲気は感じます。なんだかんだ商業施設も開いてきているし、周りの友人たちも出勤回数が増えたと言っています。お店が早く閉まる営業時間にも慣れてきて、それに合わせて行動するようになりました」(Aさん)
食品メーカーで働く40代の女性会社員・Bさんも、「一体、いつまで緊急事態宣言を続けるのか」とため息を漏らす。Bさんは、国民の多くが“宣言慣れ”した状態にもかかわらず、対策がどんどん緩くなっているのも気がかりだという。
「休校もない。全国一斉の移動制限もない。飲食店や医療体制のサポートも手薄。そんな中で外出自粛や時短要請が続くと、お店の経営ももたなくなる。だからなのか、要請に従わずに営業時間を戻したり、お酒を出したりする飲食店も増えている印象です」(Bさん)