芸能人の事務所退社・独立が相次いでいる昨今。2020年には米倉涼子や中居正広など大物芸能人が所属事務所からの独立を発表し、2021年にも、佐藤健と神木隆之介が新事務所を設立するなど、看板タレントの独立が大きな話題となった。この“ブーム”の流れに乗るように、お笑い界にも同様の動きが加速している。
最近、テレビでの露出が目立つ人気お笑いコンビの「ラランド」は、今年3月に「レモンジャム」という個人事務所を立ち上げた。もともと事務所に所属せずフリーで活動していたラランドだが、彼らのように最初からフリーで活動する芸人や、事務所を辞めて個人で仕事をする芸人が増えているのだ。
吉本興業や松竹芸能など、大手事務所に所属していた方が活動の場が広がり、芸人にとって好都合のように見えるが、実際はどうなのか。大手事務所を退所し、現在はフリーで活動している芸人・Aさん(30代男性)が話す。
「大学で今の相方と出会い、コンビを組んで10年以上になります。大学卒業後、運良くすぐに事務所が決まったので、10年ほどそのまま活動を続けていましたが、2年前に思い切って事務所を辞めました。事務所に入っていると、色んなオーディションやお笑い番組のバーターとして出演させてもらえる機会もあるのでチャンスが多いと思われがちですが、実際はその順番はなかなか回ってきません。
それでも食べていかないといけないので、知り合いからイベントの出演や司会などを個人的に請け負い、全て事務所を通して何とか仕事を続けていたんです。でも、何年経っても事務所が取ってきてくれる仕事はほとんどなく、それなのに自分で取ってきた仕事のギャラの何割かは事務所に取られてしまう。それがだんだん納得いかなくなったんです」