自分でギャラ交渉できるようになった
芸人に仕事のオファーをする際、以前は所属事務所に連絡する方法しかなかったが、今はインターネットが発達し、SNSで簡単に連絡を取れるようになったことも大きく影響しているという。Aさんが続ける。
「フリーになった理由はお金の面が大きいですが、マネージャーの顔色をうかがって仕事をするのが嫌になったというのもあります。マネージャーに気に入られた芸人は、あからさまにオーディションやバーターの仕事が多いのが実情ですから。そうした窮屈さがあるのに加え、マネージャーがいることで逆に話が遅くなることもありました。
たとえば僕個人に直接仕事の依頼があった場合は、まずは僕からマネージャーにその旨連絡して、その後はマネージャーが先方とやり取りするようにしていたのですが、話がスムーズに進まないことも多々あったんです。でも、フリーになってからは直接依頼主とやり取りできるので、話がまとまりやすくなりました。
その他にも、イベントで仕事をしたら、それを見た別の人が直接声をかけてくれるようになり、次の仕事に繋がりやすくなりました。マネージャーを通さずに仕事ができるようになったことで、ストレスを感じることも減りました。
ただ、フリーより事務所に所属している芸人の方が安心できると思っている依頼主もまだ多いので、肩書きの重要性も同時に感じています」
Aさんは、独立してギャラの交渉も自分たちでできるようになったことで、仕事量は変わらない中でも収入は増えたそうだ。