テレビ局側にとっても独立芸人を起用するメリットはある。人気芸人にオファーする際、事務所側からの「若手も一緒に出して欲しい」といったバーターを頼まれることも多いというが、独立している芸人ならそうしたしがらみも気にせずオファーできるからだ。
もちろん、依然として大手芸能事務所の存在感は大きいが、SNSなど時代の流れも相まって、フリーに転身する芸人は今後ますます増えていくのではないだろうか。そうなれば、これまでの慣例は意外と簡単に変わるかもしれない。「事務所ありき」の芸能界のスタイルに、徐々に変化が起きつつあるのではないだろうか。
文■矢口渡(芸人ライター)