当事者間だけで結婚しようという話がされただけで、結婚に向けての具体的な計画が立てられないまま、7年も経過したとすると、その間結婚できなかった合理的な事情がなければ、男性の「結婚しよう」が真剣な結婚の申し出になるかは疑問に感じます。せいぜい、順調に交際が進んで条件が煮詰まれば結婚する趣旨と解釈される可能性もあります。
とはいえ、娘さんの落胆は大きいようです。単なる大人の交際を超えた期待があったものと思います。もし最初から娘さんを騙していたとすれば、婚約の不当破棄というより、結婚するような言動自体が不法行為になる可能性もあります。
そこで、婚約成立と客観的にいえる状況を裏付ける事情として、交際の具体的な経過、双方の親や親戚との交流、婚姻生活の準備、7年間結婚しなかった理由、結婚意思が読み取れる男性からの手紙やメールなどを整理して、弁護士会の法律相談を受けることをおすすめします。
【プロフィール 】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。
※女性セブン2021年7月1・8日号