夫の言葉を鬱陶しいと思いながらも、我慢していたCさんがキレたのは、「なんなら俺が専業主夫やるからさ」という冗談交じりの言葉だった。Cさんは「絶対ですか? 本当に育児、家事全般やるんですね?」と敬語で問いただしたうえ、夫が戸惑う表情を見せると、「今の世帯年収で十分生活はできています。もし好きに使えるお金を増やしたいということでしたら、私と子供が“邪魔”ということだと思うので、子供を連れて離婚させていただきます」と睨みをきかせた。
Cさんの反撃が功を奏したのか、家計の見直しとともに、世帯年収を上げるための話し合いが行われた。まず、夫は趣味のゲームにかけるお金を制限し、副業で月5万~10万円の収入増を目指すようになった。一方のCさんは英文科卒の経歴を生かして翻訳スキルを身につけるべく、大学時代の知り合いの会社でパートとして働き始めた。
家事や育児のバランス、さらにはこれまでのキャリアなどが複雑に絡む問題だけに、夫が何も変わろうとしないで妻だけに収入増を要求するのは無理がある。世帯年収を増やすためには、夫婦の協力が不可欠だろう。