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【日本株週間見通し】米FOMC通過で物色動向に変化 日経平均は一進一退か

先週の日経平均は反落も、週後半にかけて反発

先週の日経平均は反落も、週後半にかけて反発

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の6月21日~6月25日の動きを振り返りつつ、6月28日~7月2日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は週前半こそは乱高下したものの徐々に落ち着きを取り戻し、週末には外部要因にも助けられ29000円を回復した。セントルイス連銀のブラード総裁によるタカ派発言のほか、先物・オプション取引の清算という需給要因も相まって大幅に下落した前の週末の米株式市場を映し、週初の日経平均は急落。一時は下げ幅を1100円超にまで拡げ、安値では27795.86円まで下落。終値では28000円を回復するも下げ幅は953.15円となった。

 しかし、22日には一転して873.20円高と急反発し前日の急落分をほぼ1日で取り戻した。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が「経済の強さが金融政策を修正するにはまだ不十分」との見解を示したことで警戒感が後退したことが主な要因。原油高などを背景に週明けの米株市場で景気循環株に再び買いが向かったことも安心感に繋がり、急落は過剰反応との見方が優勢となるなか売り方の買い戻しが進んだ。

 その後、下院でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言にてハト派姿勢が確認されると一層の安心感が生まれた。しかし、長期金利の低下を背景にナスダック総合指数が連日最高値を更新するのを横目に、東京市場では週末まで全般上値の重い展開が続いた。物色動向も明確にならないなか、オリンピック開催前後の新型コロナウイルス感染第5波などへの警戒感もあってか、指数はこう着感の強い動きが続き、日経平均は29000円前後でのもみ合いが継続。週末には、バイデン大統領がインフラ投資計画で超党派上院議員と合意したとの報道を手掛かりに日経平均は29174.17円まで上昇する場面もあったが、結局、戻り待ちの売りに押され、もみ合いを脱せずに終わった。

 今週の日経平均は引き続きもみ合いか。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の一連の高官発言を受けた乱高下を消化し、指数は結局FOMC前にこう着感を強めていた29000円水準にまで戻した後、同水準でのもみ合いを継続。乱高下した挙句イベント前と変わらない水準で動かない様子を見る限り、売り方も買い方も積極的に動きにくいようだ。直近の物色動向も、景気敏感株からグロース・ハイテク株まで広く見渡しても突出して強い動きを見せているものは少なく、短期目線の投資家が循環物色をしているに過ぎない様子。

 今週は、週半ばの30日に月末最終営業日の株安アノマリーが意識されるほか、週末には6月の米雇用統計を控えているだけに積極的に買いづらい状況が続く。一方、先週は週初に日経平均が1100円を超す急落を見せたにも関わらず、即座に29000円まで戻しただけに、売り方も積極的に仕掛けづらい。やはり、売り買いともに手掛けづらく、指数は引き続き一進一退となりそうだ。

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