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【日本株週間見通し】米FOMC通過で物色動向に変化 日経平均は一進一退か

 米雇用統計も注目とはいえ、5月以降の物価や雇用関連の指標、FOMCを巡る一連の乱高下を経験しているだけに波乱要因にはなりにくい。労働供給側の大きな制約になっている失業保険の上乗せプログラムの失効効果が表れるのも次回7月分からと想定されているだけに、弱い数値が出てもサプライズにはなりにくいだろう。むしろ、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期金融緩和の解除が遠のくとの見方からポジティブに捉えられる可能性もある。

 一方、週後半にかけては中国で6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)、米6月ISM製造業景気指数など経済指標が多く予定されている。昨年、コロナ禍からいち早く回復し世界経済をけん引してきた中国では弱くはなくても最近は指標に目立った強さがない。また、米ISMも好不況の50ptを大きく上回る60ptを4カ月連続で叩き出しているが、指標面ではそろそろピークアウトも意識される。メインシナリオではないが、仮に中国の景気指標とともに予想を大きく下振れるようなことがあると、景気回復のモメンタム鈍化が意識され、景気循環性の高い日本株を敬遠する動きに繋がるリスクに留意したい。

 他方、国内では週後半に6月日銀短観がある。日本経済新聞社がまとめた民間エコノミスト予想では、大企業製造業の業況判断指数(DI)はプラス15と3月のプラス5から一段と改善し、2年半ぶりの高水準を見込む。非製造業も大企業でプラス3と3月のマイナス1から改善し、5四半期ぶりにプラスに転じる予想という。中国のPMIや米ISMが市場予想を上回り、景気のピークアウトを感じさせない強い結果となると同時に、日銀短観も事前予想通りの良好な内容となれば、国内外の景況感の改善を背景に日本株の後押しとなる。7月下旬から始まる4-6月期決算への期待も高まろう。全体としてはもみ合い展開に変化がなく、投資家にはもうしばらく忍耐が求められそうだ。しかし、徐々にではあるが、株高の素地は整ってきていると思われる。

 そのほか、2月期、8月期を本決算とする小売企業の決算が徐々に本格化する。週初28日は直近の月次動向から再評価の動きが出てきている、しまむら<8227>のほか、コロナ禍でのアウトドア需要を背景に今年に入ってからも株価が好調なヒマラヤ<7514>などが控える。29日にはJフロント<3086>、30日には観測報道で既に動意づいているニトリHD<9843>、アダストリア<2685>、週末7月2日には良品計画<7453>、アスクル<2678>、ハイデイ日高<7611>など注目企業が多い。ワクチン接種が加速しているなか、コロナ前の水準をいまだ回復できていないJフロント、アダストリア、ハイデイ日高あたりの動きには注目したい。

 また週後半にはマルマエ<6264>や大有機化<4187>など業績好調で上値追いの動きとなっている半導体関連株の決算もあり、こちらも内容はさることながら、出尽くし感となるのか素直に好感されるのか反応に注目だ。海外でも30日にマイクロン・テクノロジーの決算が予定されており、良好な内容と株価反応であれば、東京エレクトロン<8035>など半導体関連株の刺激材料となりそうだ。

 なお、今週は28日に日銀金融政策決定会合の「主な意見」(6月17~18日開催分)、29日に5月有効求人倍率、米6月消費者信頼感指数、30日に5月鉱工業生産、5月住宅着工統計、中国6月製造業PMI、米6月ADP全米雇用リポート、7月1日に6月日銀短観、6月新車販売台数、中国6月財新製造業PMI、米6月ISM製造業景気指数、2日に米6月雇用統計、米5月貿易収支、米5月製造業受注などが予定されている。

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