「結局、残高を書いても変動する可能性がありますし、思ったより多ければアテにされ、少なければガッカリされるリスクがある。親にお金があると知った子供が“孫の教育資金のために援助してほしい”と言い出すのもよくある話。そうやって贈与して、後から大病が分かってお金が必要になっても〝返してほしい〟とはなかなか言えません。
子供の側が、親の認知機能が低下した時のために財産の所在を知りたいということであれば、金融機関名・支店名だけ伝えれば十分です。親としては“残高を明らかにしてほしい”と言われたら“なんのため?”と確認して、必要最小限の情報を伝えるのでいいでしょう」
親子と言えど、お金を巡っては他人の面もある。
※週刊ポスト2021年7月9日号